[20010323] |
自動計算におけるすべり面勾配(作図平均)について(Ver.2.01、Ver.1.06以下) |
自動計算において、ある一定の条件下で計算した場合、誤ったすべり面勾配が算出されることがあります。
■ 回避方法
「作図平均」ですべり面勾配を求める場合は、のり面の範囲指定を下部のり面から上部のり面へ順番に指定して下さい。
■ 障害の発生するバージョン
「ANCHOR for Windows」 Version 1.06以下
「ANCHOR for Windows」 Version
2.01以下
※ANCHOR、ANCHOR2のMS-DOS版は問題ありません。
■ 障害の詳細
自動計算においてすべり面勾配を「作図平均」で計算する場合、一定の条件下において誤ったすべり面勾配が算出されます。下図のように上部のり面(範囲1)から指定した場合や、中段のり面(範囲2)から指定した場合に誤ったすべり面勾配が算出されます。
「作図平均」で算出するすべり面勾配とは、最上段及び最下段アンカーのすべり面との交点を結んだ直線の傾きを意味します。ところが「ANCHOR」では、「範囲1」の下段アンカーの交点と、最終選択「範囲」の上段アンカーの交点を結ぶ直線の傾きをすべり面勾配として算出していました。
アンカー設置範囲選択で1個の斜面(範囲1のみ)を指定する場合や、複数斜面でも下部のり面から上部のり面へ順番に指定している場合、またアンカーと交差するすべり面が直線の場合は正しい値となります。
弊社でANCHOR for Windowsでの計算ファイル80件を調査しましたところ、その誤差はすべり面勾配が±2度以内、設計アンカー力が±3%以内で、アンカー規格や定着長等、工事自体の変更を伴うケースはありませんでしたが、すべり面形状やアンカー設置範囲選択の順番によりましては大きな誤差を生じる場合があります。