最適擁壁 サポート情報

■「崩壊土砂堆積時の検討を行った場合は、擁壁天端からの堆積勾配βで設定した堆積時の検討を行わなくて良いのでしょうか?」【20041008】

「最適擁壁」では、「新・斜面崩壊防止工事の設計と実例」に記載されている堆積時の検討と土砂新法で検討されている崩壊土砂堆積時の検討が行えます。二つの検討方法は考え方が異なります。
項 目 新・斜面崩壊防止工事の設計と実例 土砂新法

手   法

崩壊土量が少なくても擁壁天端からの堆積勾配で検討を実施します。   

検討した勾配まで堆積した時点で、除去するといった処置がとれます。

崩壊土量を決定(推定)し、その土量が実際に擁壁背面に堆積した高さで検討を実施します。   

崩壊した直後に除去する必要があります。

許容安全率 Fs ≧ 1.5 Fs ≧ 1.2
「新・斜面崩壊防止工事の設計と実例」 P.232 には、待受式コンクリート擁壁工で対応する崩壊対象として2通りのパターンを挙げています。
@ パラパラと何回にも分けて発生する非常に小規模な崩壊
A ある程度の規模で一度に崩壊が完了してしまうもの
「最適擁壁」のポケット量の照査については、上表の@に対する崩壊を対象とし、「最適擁壁−衝撃土砂荷重対応版」は、Aに対する崩壊を対象とした検討になります。各地域で、土砂新法の計算で行うケースが多くなってきています。弊社のユーザからの情報では、両方のパターンを行うケースが多いようです。
理由としては、次のようなことが考えられます。
 ・土砂新法による検討が、試験的に行われている事例が多いこと。(確認計算で行われている)
 ・@とAの両方が発生する場合が考えられる斜面であること。
 ・場合によっては、@の状態が最も危険な状態になる可能性があること。

崩壊の状態が確定できない場合については、@・Aの検討を行う方が良いと思われます。
 

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