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PowerSSA サポート技術情報 

 

[20001130]  湿潤重量と飽和重量

 

 湿潤単位体積重量と飽和単位体積重量 土塊の構成成分は土粒子の占める部分と、間隙内を占める水と空気の部分で示すことができます。すなわち「土粒子・水・空気」の三相から成り立つことになります。 

●体積について

V=Vs+Vv=Vs+Vw+Va

ここに、

V:土塊の体積

Vs:土塊を構成する土粒子群の体積

Vv:土塊中の全間隙体積(V−Vs)

Vw:土塊中に含んでいる全水分の体積

Va:土塊中に含んでいる全空気の体積

 ●質量について

m=ms+mw+ma

ここに、

m:土塊の質量

ms:土塊を構成する土粒子群の質量

mw:土塊中に含んでいる全水分の質量

ma:土塊中に含んでいる全空気の質量(ma=0)

●湿潤単位体積重量の定義

γt=m/V

●乾燥単位体積重量の定義

γt=ms/V

●飽和単位体積重量の定義

γt=m/V ※Vv=Vwのとき(飽和状態)

このように湿潤単位体積重量と飽和単位体積重量は同じ式で表され、その差は飽和状態にあるかないかであり、実質的に大差のない値となります。

一方各種の「設計要領」などに、「地下水位以下にある土の単位体積重量は、それぞれの値から1.0(0.9)引いた値とする」という記載があるますが、これは単位体積重量そのものが変わるのではなく、浮力を考慮する場合の考え方(式)になります。

斜面の安定計算を行う場合、地下水位以下の土塊に対しても、間隙水圧として考慮する場合と浮力として考慮する場合があります。いずれにしてもこれは式の中で考慮されるものであり、単位体積重量自体を1.0引いた値などを入れた場合は、二重計上となるわけです。

 

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