[20010307] |
湛水斜面計算における地震時の計算での水没スライスの滑動力Tについて(Ver.1.08以前) |
湛水斜面計算における地震時の計算で水没スライスの滑動力Tを、Ver.1.03以前のバージョンでは「式@」で算出していましたが、Ver.1.04(1999年12月変更)以降のバージョンからは直線区間を「式@」、円弧区間は「式A」で算出するようにしました。このとき「式A」の地震時の増加分について(γsat)の単位体積重量を使用すべきところを(γsat-γw)を使用しており、結果として安全率が「式B」より大きく算出されております。
● Ver.1.03以前
直線・円弧 T = (γsat-γw)・A・sinα + Kh・γsat・A・cosα ・・・・・
式@
● Ver.1.04以降(1999年12月変更)
直線区間 T = (γsat-γw)・A・sinα + Kh・γsat・A・cosα ・・・・・・
式@
円弧区間 T = (γsat-γw)・A・sinα + Kh・(γsat-γw)・A・y/R ・・・式A
●円弧区間の正しい式
円弧区間 T = (γsat-γw)・A・sinα + Kh・γsat・A・y/R ・・・・・・・ 式B
γsat :飽和単位体積重量
γw :水の単位体積重量
A :スライス面積(地山のみ)
α :すべり面勾配
y :円中心からスライス重心までのY方向距離
R :すべり面の半径
基準水面法の地震時の算出式「式@」は「多目的ダムの建設(昭和62年版):(財)ダム技術センター」第2巻調査、第3巻設計Tと「貯水池周辺地すべり対策要領(試行案):(財)国土開発技術センター」に準拠して作成しました。「式A」はFellenius法の計算結果と基準水面法の計算結果を合致させるためにVer.1.04で変更したものですが、水没スライスで単位体積重量を取り違えてしまいました。なお、平成7年9月16日発行の「貯水池周辺地すべり調査と対策:(財)国土開発技術センター」では、今後の検討課題として地震時の安定性が述べられているだけで、地震時安定度の定式化はなされておりません。