Q&A
Q.本工法と「クモの巣ネット工法」との使い分けは?
A.本工法は、想定すべり層厚が1.5m程度までの場合に適用すると、非常に経済的な工法であると言えます。
Q.それは、どういう理由からですか?
A.本工法は、高強度ネットの引張試験や押し抜きせん断試験から得られたデータを用いて設計するため、1.5m程度までのすべり層厚であれば、2.5mまで補強材の間隔が拡げられるからです。
特に1.0m内外の場合には、ほとんどで、2.5m間隔でOKとなります。
これに対して「クモの巣ネット工法」は、「地山補強土工」に準拠した設計法ですので、どのような場合でも補強材間隔は、最大2.0mまでという縛りがあります。
すなわち、本工法では補強材間隔2.5mの場合、100m2当り16本の補強材で済むのに対し、クモの巣ネット工法では、補強材間隔2.0mの場合、25本が必要となるため、経済的比較はとても大きなものになります。
Q.補強材を2.5m間隔にまで拡げて本当に大丈夫ですか?
A.ヨーロッパのスイスで、2012年10月に実物大大型フレーム(12.5m×10.0m×1.2m)による実証試験が行われ、85°でも崩壊せずに高強度ネットは破れないことが実証されました。
これからも、様々なパターンでの実証実験が続けられていきます。
Q.補強材の設計において、「クモの巣ネット工法」と違う点は何ですか?
A.本工法では、施工最終段階での頭部締付け作業において、対象地盤状況別に設定した締付け力を付与します。
これに対して「クモの巣ネット工法」では、緩まない程度に締付けます。
このことから本工法では、補強材の設計において、移動土塊から受ける引抜き抵抗力は考慮しないで設計します。
また中抜け設計において、水平方向では締付け力の効果として、プレート幅を減じた面積での設計を行っています。
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